01 / 06
序章 真心话大冒险
序章 真実か挑戦か
真実か挑戦かは、空き教室のいちばん後ろの列で行われていた。罰ゲームはたいてい、コンビニでアイスを買ってくることだった。
その日、ルーレットが止まったのは「南条誠に告白する」。クラス全員が「おおー」と声を上げた。花火を見るときのように。
霧野葵は立ち上がった。椅子がまだ自分にくっついている気がした。南条は窓際に座っていて、ノートは丁寧に書かれている。彼女のほうは見ていなかった。
「好きです。」彼女は言った。自分でも嫌になるほど、はっきりした声で。「ゲーム、終わり。」
終わるはずだった。笑い声が、その一言を流してくれるはずだった。
南条は顔を上げ、彼女を二秒見て、うなずいた。「ああ。」
02 / 06
第一章 我喜欢你,游戏结束
第一章 好きです、ゲーム終了
「ああ」は合格点の返事じゃない。それでも、拒絶より扱いにくかった。
授業が終わったあと、葵は南条を探しに行った。「さっきのは罰ゲーム」と宣言するつもりで。南条は借りていた参考書を彼女に返した——自分がいつのまにその本を彼の机に置いたのか、葵には思い出せなかった。
「知ってる。」彼は言った。「ルーレット、音が大きかった。」
「なら、なかったことにして。」
「でも、好きだって言った。」南条は本の背を揃えた。「俺は『ああ』って言った。『ああ』の意味は、受け入れる、だ。ルール上、ゲームはもうデートに変わってる。」
葵は初めて思った。校則のほかに、もっと面倒な規則がある。作者は、この目立たない男子だ。
03 / 06
第二章 他居然点头了
第二章 あいつ、うなずいた
あいつがうなずいた。その話は、告白そのものより速く学年中に広まった。
誰かが葵に「本当に付き合ってるの」と聞き、彼女は「付き合ってない」と答えた。誰かが南条に聞きに行くと、南条は「付き合ってる」と言った。ふたつの答えは同じ日の廊下に並んで現れ、殴り合う掲示のように見えた。
「なんで付き合ってるって言うの。」葵は彼の前に立ちはだかった。
「君が『撤回する』って言ってないから。」彼は傘を開いた——その日は雨なんか降っていなくて、陽射しが白すぎただけだ。「罰ゲームの条項に、自動失効はない。」
「条項、調べたの?」
「ルーレットのルール、書き写した。」彼はメモを一枚出した。字は丁寧だった。「第三条。告白を受け入れた者は、相手が口で終わらせるまで、ゲームを延長する権利を持つ。」
葵はその紙を奪った。裏は、彼女の嫌いなパクチーが線で消された弁当のメニュー。日付は先週だった。
04 / 06
第三章 校门口的等待
第三章 校門での待ち
その日から、南条は校門に現れた。
道を塞ぐわけじゃない。少し左に寄った位置に立っている。遅刻してくる天気を待っているみたいに。葵が右から抜けようとしても、彼はかばんを受け取った。あまりに自然で、見ている者ははやし立てようがなかった。
「重い。」彼女は言った。
「好きは、もともと重い。」南条の返事は平坦だった。「ゲームは、その重さを先に机の上へ置いただけだ。」
葵は彼の横顔を見つめた。ふとわからなくなった。あのときルーレットがあのマスで止まったのは偶然なのか、誰かが指先で縁をそっと押したのか。
彼女は聞かなかった。聞いたら、それはもうひとつの告白になる。
05 / 06
第一章 香菜与伞
第一章 パクチーと傘
南条は、彼女がパクチーを嫌うことも覚えていた。雨の日、木のある道を歩きたがらないことも。葉の上の水が、まとめて落ちてくるからだ。
彼が傘を差し出したとき、葵は受け取らなかった。傘はふたりのあいだで止まり、透明な境界のように見えた。
「もし、これがゲームじゃなかったら?」自分の声が、そう聞いているのが聞こえた。
「そのときは、もっと早く校門に立ってた。」彼は言った。「ただ、誰もあのルーレットを回さなかっただけだ。」
雨が強くなった。葵は手を伸ばして柄を握った。指が、彼の指に触れた。罰の重さが、急に具体的になった。返したくないほど、具体的に。
06 / 06
第二章 如果这不是游戏
第二章 もしこれがゲームじゃなかったら
クラスはもう一度、真実か挑戦かをやった。ルーレットは、葵の手で押さえられていた。
「今日は回さない。」彼女は南条を見た。「条項、更新。好きです。ゲームじゃない。」
教室が一秒、静まった。それから誰かがはやし立てた。南条は「ああ」とは言わなかった。ルールを書き写したあの紙を二つ折りにして、筆箱のいちばん下へ入れただけだった。
「受け入れる。」今度は、言葉を最後まで言った。
放課後、校門の位置は左寄りから真ん中になった。葵がそこへ歩いていくとき、右から迂回しようとは、もう思わなかった。