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第二章 他居然点头了
第二章 あいつ、うなずいた
あいつがうなずいた。その話は、告白そのものより速く学年中に広まった。
誰かが葵に「本当に付き合ってるの」と聞き、彼女は「付き合ってない」と答えた。誰かが南条に聞きに行くと、南条は「付き合ってる」と言った。ふたつの答えは同じ日の廊下に並んで現れ、殴り合う掲示のように見えた。
「なんで付き合ってるって言うの。」葵は彼の前に立ちはだかった。
「君が『撤回する』って言ってないから。」彼は傘を開いた——その日は雨なんか降っていなくて、陽射しが白すぎただけだ。「罰ゲームの条項に、自動失効はない。」
「条項、調べたの?」
「ルーレットのルール、書き写した。」彼はメモを一枚出した。字は丁寧だった。「第三条。告白を受け入れた者は、相手が口で終わらせるまで、ゲームを延長する権利を持つ。」
葵はその紙を奪った。裏は、彼女の嫌いなパクチーが線で消された弁当のメニュー。日付は先週だった。