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『章節目録』
第一章 帰宅
第二章 滅族
第三章 修練
第四章 遠行
第五章 入会
第六章 ジェダ
第五章 入会
銀獅ギルドは創立から二百年余り。創設者は剣の腕が並外れて高い男で、後世の人々は彼を剣聖と尊称した。その名は詳らかではない。わかっているのは、オトレ王国王室と密接なつながりがあったことだけで、それゆえ王室も銀獅ギルドを重んじ、ギルドの発展を自由に任せていた。
今日に至るまで、銀獅ギルドの実力は神聖大陸で名高く、大陸でも上位三指に入るギルドのひとつである。迎え入れる人材は数知れず、誰もが並々ならぬ人物で、後の人々からしばしば称賛されてきた。
レイスとリアは、さほど探しもせずに銀獅ギルドの本部へたどり着いた。眼前に現れたのは古典的な建物で、さして壮大でも、絢爛でも、威風堂々でもない。あるのは古びた素朴さだけで、正面は規模のやや大きい酒場といった風情だった。
「これが銀獅ギルド……」
レイスは、心が冷えていくのを感じながら言った。
「まさか。」
リアも、気落ちした声で言った。
二人は同時に中へ踏み入った。濃い酒の匂いが押し寄せてくる。やはり酒場だ。
内堂は広く、長机と長椅子がずらりと並び、ならず者めいた男女が談笑しながら酒を酌み交わしている。賑やかこの上ないが、どこか奇妙でもあった。
レイスは気が遠くなりかけた。これが最強のギルドだというのか。どうして庶民の酒場みたいで、高級な酒場よりもずっと品がないのだ。
めまいがした。
「あっ、レイス、大丈夫?」
リアはすぐにレイスを支えた。
「いや、大丈夫だ。とりあえず受付を探して、会員の認証を済ませよう。」
「これ……ここにあるの?」
レイスは店内を見渡した。あるのはカウンターひとつだけだった。
「銀獅ギルドの責任者は誰だ!!」
レイスが突然どなると、その場の男女は一斉に動きを止めた。誰もが妙な目でレイスを見る。だがそれも一瞬のことで、彼らはまた騒ぎ出した。
「くそっ、ここはいったい何なんだ。」
「お二人は、登録に来たばかりの会員ですか?」
突然、レイスの背後から心地よい女の声がした。振り返ると、腰まで届く黒髪の巻き毛の女が立っていた。宝石のように輝く瞳、わずかに鉤なった鼻、赤く潤んだ唇は誘惑に満ち、男なら思わずキスしたくなる。
装いは淡く上品で、長いスカートの下からふくらはぎがのぞいている。背は高くないが、豊かな胸とくびれた腰は女らしさに満ちていた。
「は……はい。」
レイスは目的を忘れかけた。あまりに誘惑的だった。
「ええ、こちらへどうぞ。」
彼女は甘く微笑み、レイスをカウンターの前へ導いた。カウンターの向こうで働いていた男は、黒髪の巻き毛の女を見るなり色目を使い、惑わせるような視線を送った。だが効果はなかった。
「よう、フレリア、今日は暇か?」
バーテンダーの男が軽薄に言った。
「ないわ。」
フレリアは淡々と返した。
「おお、がっかりだ……ん? 後ろの嬢もきれいだな……いや、違う、見慣れない、というのが正しいか。」
バーテンダーはすぐリアに気づいた。横で聞いていたレイスは、頭に血が上りそうになった。この男が受付であるはずがない。
「ロア、世間話は後にして。このお二人は登録に来たばかりの会員よ。手続きをしてあげて。」
「ほう、新人か。よし、まず入会証明を出してくれ。」
レイスは叫びそうになった。このバーテンダーが本当に受付だった。
そこで二人は入会証明を取り出した。それは一通の手紙だった。
「うん、本物だ。会長は人を見る目があるな。こんなきれいな嬢ちゃんを選ぶなんて。名前はリア・ヴァルスか。ちっ、いい名前だな、リア嬢。」
「ロア!」
フレリアが不機嫌に言った。
「はいはい、すまない。美人を見ると本業を忘れるんだ。入会証明は認証済み、正真正銘だ。というわけで、二人とも正式に銀獅ギルドの一員だよ。おめでとう。」
続いてロアはカウンターの下から銀の襟ピンを二枚取り出した。ピンには星がひとつ刻まれているだけで、他に特別なものはなかった。
「先に規則を説明しておく。銀獅ギルドが一番重んじるのは、会員同士の協調と結束だ……」
レイスは規則の山を聞き始めた。まるまる五分もかかった。本当に長かった。
「だからみんな、仲よくしようぜ、へへ。最後は階級の話だ。銀獅ギルドは九階級、つまり九星制だ。君たちは今、一星会員で、福利も権限もいちばん小さい。もっと福利が欲しいなら昇級任務をこなすこと。以上だ。ここで楽しくやってくれよ、へへ。リア嬢、今日は暇か?」
「わたし……」
「新人をいじめるな。レイス、リア、加入を歓迎する。困ったことがあれば私を探しなさい。答えてあげるから。」
「うん、じゃあもう行っていいか。」
「いいわよ。」
銀獅ギルドを出ると、レイスはふたたび、ほのかに海の匂いのする空気を吸った。酒場の中の酔わせる酒の匂いより、外の空気はずっとましだった。
「リア、どこに泊まるつもりだ?」
「それが……持ってきたお金は盗賊に奪われて、当分どこに住めばいいかわからないの。銀獅ギルドには会員専用の部屋があるけれど、四星以上じゃないと使えないの。本当に困った。」
「心配するな。嫌じゃなければ、俺と一緒に住め。」
「本当に?」
「ああ。この街で小さな家を一軒買うつもりだ。二人で住むには足りるはずだ。」
「本当にありがとう、レイス。」
「気にするな。友達だろ。」
実のところレイスは、このときリアをどう性奴隷にするかを考えていた。回復魔法を使える牧師が同居していれば、ギルドの任務で怪我をしても世話をしてくれる。そのうえ、へへ、やっちゃえる。最高すぎる。
ともに過ごすうち、レイスはリアが心優しく、顔立ちもやさしい少女だと知った。好意さえ得られれば、そういうことをするのは難しくない。自分の魔性の魅力があれば、こんな純真な少女など手に取るように落とせるのではないか。
「レイス、笑い方がいやらしいよ。」
リアは、レイスがいやらしく笑っているのに気づいて言った。
「あ、そうか? 俺はいつもこうだ。」
レイスは数千ゴールドを使い、バドロの街に小さな家を一軒買った。二人はようやく落ち着き、次はいよいよリア奴隷化計画だった。
この日、レイスとリアは一緒に銀獅ギルドへ任務を受けに行った。受け方に特別なところはなく、ロアに申請して任務を行い、完了すれば功績点と金がもらえる。功績点が一定の基準に達し、昇級任務に合格すれば昇級できる。
ところがレイスは、一星の任務がこれほど難しいとは思っていなかった。どれを見ても獰猛な魔物の首領を倒すか、極悪の指名手配犯を始末するかだ。資料によれば、これらの任務はいずれも国家がA級と判定する水準で、ベテランの傭兵ですら気軽には受けない。銀獅ギルドの一星会員の任務がこれだというなら、四星の任務はどうなる。
七星の任務は。
九星の任務は。
「どうした? もう決めたか?」
ロアが少し急かすように言った。
「俺は……まだ決まってない……」
「ふふふ、レイス、久しぶりね。」
レイスが任務簿をめくっていると、背後から聞き慣れた女の声がした。自信と傲慢に満ちたその声を、レイスは決して忘れない。彼女だ。
エミシリア。いつも自分の前を歩いている女。永遠に追いつけない勝者。
「奇遇だな。」
レイスは振り向いて彼女を見た。その英気に満ちた眼差しは変わっていない。いつも勝利の微笑みを浮かべてこちらを見る。そのせいでレイスは長いあいだ鬱屈を抱えてきた。だが、彼女にはどうすることもできない。顔も体も一級品の美しさで、曲線の豊かな肢体、今にも服を押し破りそうな胸はいつだって誘惑的だ。片手で掴んで口に含みたい。手の中の柔らかく弾む肉感を想像しただけで下半身に血が集まり、旗が立った。
人より賢い頭を持ち、人より優れた魔力を持つ。レイスがこの美女を羨むのは、そういうことだった。
「奇遇じゃないわ。銀獅ギルドにはわざと入ったの。」
「なに? じゃあ審判の翼の誘いを断ったのか?」
「ええ。」
なぜだ。
レイスの頭にその疑問が浮かんだ。審判の翼はこの大陸最強のギルドだ。彼女がそんな強大なギルドの誘いを断るとは。何万人もの人間が夢にまで見るギルドなのに、断ったというのか。
「驚かないで。あれは他国のギルドだから、入りたくなかったの。ちょうどあなたが銀獅ギルドに入ると知ったから、わざと入って、一言伝えに来たのよ。」
レイスは唾を飲み込んだ。目の前のこの傲然とした美女が何を言うのか、神経を集中して待った。自分に何を言うつもりだ。
「それはね……あなたは永遠に、私の尻尾についてくる犬よ!」
酒場の人々は、この美しい女のほうを見た。まだ十八歳の彼女が、こんな侮辱の言葉を口にするとは思ってもいなかった。店内は静まり返った。
レイスは聞いて、怒りと悲しみが同時にこみ上げた。セントプロ学院に入ったばかりのころを思い出す。よくいじめられ、よく罵られた。尻尾を追う犬、間抜け豚、馬鹿者と。すべて、彼女を知ったせいだった。
エミシリア。最初の親友であり、最初に恋した女。
すべては一度の過ちから始まり、彼と彼女は決裂した。
未完、続く。