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Section 1
わたしは聖ミナ王国の王女で、普段の暮らしは王宮の中に限られている。わたしたちの宮には決まりがあって、侍女が過ちを犯せば、一日じゅう縄で縛られていなければならない。そして、過ちを犯した侍女を縛ることだけを仕事にしている侍女もいる。
あるとき、わたしは父王と宮殿の長い回廊で話をしていた。すると、不注意な侍女がいきなりわたしにぶつかってきた。わたしたちはふたりとも床に尻もちをついた。遠くにいたもうひとりの侍女がそれを見て、麻縄を何束も手に、こちらへ歩いてきた。
「ジル、またやってしまったのね。」その娘は歩きながら言った。
ジルという名の侍女はそれを聞くと、すぐに立ち上がってわたしを助け起こし、しきりに謝った。縄を持った娘も、ジルのそばまで近づいてきた。
「どうすればいいか、わかってるでしょう?」
ジルはうなずくと、両手を後ろに回して縛られるのを待った。縄を持った娘は遠慮なく、彼女の体に縄を掛けていった。この決まりは前から知っていたけれど、こんなに近くで見るのは初めてで、見ているうちに、体の奥にどこか異様なものが生まれた。ジルが縛り上げられると、わたしはじっと彼女を眺めた。麻縄が華奢な体に巻きつき、乳房がひときわ突き出して、言葉にできない艶めかしさが加わっていた。
「あなた、名前は?」わたしはジルを縛っている侍女に尋ねた。
「シャオジエと申します。ほんとうに申し訳ございません。ジルに、このような粗相をさせてしまって。」
わたしはジルのそばへ歩み寄り、体に食い込む縄に触れた。そのときジルは、こらえきれずに小さく呻いた。きっと、とてもよい感触なのだろうと思った。
「ねえ、シャオジエ。わたしを縛ってくれる?」わたしは振り返ってシャオジエに言った。
すると、そばにいた父王が先に口を開いた。「リンリン、何を言っている。それは過ちを犯した侍女への罰なのだぞ。」
父王を説得するため、わたしは理由をいくつも並べた。敵国に誘拐されるかもしれないから、縄を解く練習が必要だ、など。とうとう父王は、これからはジルとシャオジエをわたし専属の侍女とすることに同意してくれた。ただし、縛ってよいのはわたしの部屋の中だけ、という条件つきだった。
「シャオジエ、それならすぐわたしの部屋へ来て。」わたしは待ちきれずに言った。
部屋でしばらく待っていると、シャオジエが縄を何本か持って入ってきた。
「姫様、ほんとうによろしいのですか。縛られると少し痛みます。けれども、体には理由のわからない興奮も生まれます。」
「さっきジルが縛られるのを見て、もう興奮していたの。早く縛って。」
「わかりました、玲姫。では、縄の愉しみを味わっていただきましょう。まず、手を後ろへ。」
わたしは両手を背中、腰のあたりで交差させた。手首が縄に触れた瞬間、体の奥に、わけのわからない快感が走った。やがて手首はきつく縛り上げられた。
「玲姫、少し動かして、きつく縛れているか見てください。」
わたしは両手をねじってみた。擦れる感触が興奮をさらに大きくし、縛られたあとは人のなすがままという思いが重なって、もう耐えられそうになかった。
「とてもきつい。シャオジエ、すごい。」
「お褒めにあずかり、ありがとうございます。では玲姫、手をできるだけ下へ伸ばしてください。胸を縛ります。」
手を下へ伸ばす意味はわからなかったけれど、わたしはシャオジエの言葉に従った。手を下げると、腕が体にぴったりと貼りついた。シャオジエは別の縄を取り、胸の上を三、四回巻いた。ついでもう一本の縄を取り、まず背中で先ほどの縄と数回絡めてから、胸の下を縛り始めた。こちらも三、四回巻いた。それからシャオジエはわたしの衣服を少し引き下げ、布が胸に密着するようにした。上半身には柔らかい衣一枚しか着ておらず、そのため乳首の形が浮かび上がった。
わたしはうつむいて自分を見た。乳房は小さくないので、胸の下に巻かれた縄は、顔を下げても見えなかった。
それがいっそう興奮を煽った。こうして縛られるのは、女の子にだけ許された特権なのだ。男の子には乳房がないから、胸の下の縄は滑ってしまうかもしれない。それに、自分を縛る縄が見えてしまう分、自分では見えない縄に縛られている感覚も薄れてしまう。わたしの乳房は、縛られるために生まれてきたのにちがいない。
「姫様、まだ縛り終わっておりません。続けましょうか。」わたしが縛られた胸を眺め、考えごとに耽ってぼんやりしているのを見て、シャオジエは手を止めて尋ねた。
わたしはうなずいた。けれども恥ずかしくて、縛られるのは女の子の特権だと思ったことは、シャオジエには言わなかった。それからシャオジエは、わたしの手を腰の位置まで戻した。位置が上がると腕は外側へ開こうとする。けれども胸の上下に巻かれた縄が、ちょうど逆向きの力をかけて腕を押さえつける。だから緊縛の感覚はいっそう深まった。そのとき初めて、さっきシャオジエが手をまっすぐに下へ伸ばせと言った理由がわかった。
シャオジエはまた別の縄を手に取った。まずわたしの手首で、すでに巻いてある縄と数回絡め、そのまま上へ引いて、胸を縛る二本の縄と背中でぎゅっと結び合わせた。これで、わたしはもう手を下へ伸ばせなくなった。そのあとさらにもう一本の縄を手首に通し、腰へ巻きつけた。正面から見れば、体には三本の平行な線がきつく食い込んでいるように見える。けれども実際には、背中で縄どうしが密に結び合っていて、わたしがわずかに動くだけで、緊縛の感覚がたちまち上半身じゅうに広がった。
「姫様、あと二本で終わりです。」
言い終えると、シャオジエは一本の縄を取った。両端をわたしの首から前へ回し、胸の下の縄と行き来させながら数回巻いた。最後にもう一本の縄を、手の甲のあたりから胸下の縄へ掛け、交差させてきつく結び、それで仕上がった。
「姫様、ご自分の縛られた姿をご覧になりますか。」
わたしがうなずくと、シャオジエは姿見を持ってこさせてくれた。一目見ただけでは、鏡の中でがんじがらめに縛られた娘が自分だとは、なかなか信じられなかった。緊縛が女の子をいっそう美しくするなんて思ってもみなかった。とりわけ胸をきつく縛った姿は、人に邪な思いを抱かせる。
「シャオジエ、縛ったあとは、どう遊べば愉しいの?」
「縛られて動けなくなると、相手が自分に何をするのかわからない、あの期待が、とてもよいのです。」
「シャオジエ、それなら、できるかぎりやって。」
そのあと、わたしは初めての緊縛の愉しみを味わった。
(2)
それからは、シャオジエやジルとよく緊縛の遊びをした。シャオジエがわたしとジルを縛り上げたあと、わたしはジルと寄り添い、乳房を押しつけ合うこともあった。わたしはその遊びにほんとうに夢中になった。やるたびに、大きな興奮を運んでくれた。
ある日、シャオジエがいつものようにわたしとジルを縛り終えると、わたしはふと尋ねた。「シャオジエ、いつもあなたがわたしたちを縛っているけれど、自分も縛られるのは好き?」
「ええ。シャオジエも、縛られるほうが好きなのです。」
「それなら次は、ジルにあなたを縛らせるわ。」
「ああ、姫様、ありがとうございます。けれども、ときどき我慢できなくて、縛ってくれる人がいないときは、自分で自分を縛る方法を考えるのです。姫様も、習ってみませんか。」
もちろんいいと答えた。そこでシャオジエは縄を手に取り、自縛を始めた。まず自分の踝を縛った。
「あら、シャオジエ。わたしたちを縛るときは足を縛らなかったのに、どうして自分の足は縛るの?」
「姫様、自縛では手をあまりきつく縛れないのです。だから、緊縛の感覚を強めるために、こうするのです。」
わたしはわかったとうなずいた。シャオジエは踝と膝をそれぞれきつく縛ると、上半身に取りかかった。
「自縛では腕をきつく縛るのが難しいので、乳房のところで工夫するしかありません。」シャオジエは説明を続けた。
彼女はまず左肩に一本の縄を掛け、一端を背中から、もう一端を前から乳の谷間を通して引き、両端を右の胸へ集めて、きつく結び目を作った。ついでもう一本の縄を出し、右肩からも同じようにした。
さらに縄を取り、乳房の上下を数回巻いた。わたしを縛ったときと違うのは、シャオジエには腕までいっしょに縛ることができない点だった。
「おおむね、これで終わりです。縄で手を縛るのは、もう難しいでしょう。手錠なら代わりになります。ただ、縄のような、柔らかいのにほどけない感触はありません。」
言い終えると、シャオジエは用意してあった手錠を使おうとした。そのとき、両手を背中で縛られたわたしは、這って彼女のところへ行き、手伝った。
わたしたちは背中合わせになった。見えないので、シャオジエの両手に手錠を掛けるまで、少し手間がかかった。
それから三人は、初めて、互いに相手をからかう遊びを愉しんだ。
三人ともきつく縛られていたので、遊び終えたあと、シャオジエの手錠をようやく外すまでにも時間がかかり、三人の体に長く食い込んでいた縄を解くことができた。
(3)豊年祭