冠絶の姫王と召喚騎士

NOVEL · 日本語

冠絶の姫王と召喚騎士

# 冠絶の姫王と召喚騎士 ## 挿絵 > https://www.bilinovel.com/novel/1966/119850.html ![](https://img3.readpai.com/1/1966/119850/68081.jpg) ![](https://img3.readpai.com/1/1966/119850/68082.jpg)

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Section 1

## 挿絵

## 序章 理解できない謁見のサプライズ

修図:8959055 「わたし、お姫さまなの。だから、あなたは今からわたしの家臣よ。わかった?」 高校一年の盾町良護の前に、いきなり現れた少女は、そう言った。 鈴の音のような、透明感のある可愛い声は、少女の姿によく似合っていた。 「……何?」 目覚めたばかりで頭がまだまわらず、その言葉の意味がまったく飲み込めない。 たしかに、容貌だけ見れば、姫と呼ばれても不思議はない。 銀の光を放つ髪。 一本一本が細く柔らかく、手触りはなめらかそうだった。 少女が体を小さく揺らすたびに、照明を反射して髪がきらめく。 身にまとった深紅の礼服。 着心地を考えたデザインなのに、少女の体にぴったり沿う裁断。 赤一色にならないよう、複雑な色の布がふんだんに使われている。 装飾も豪華だ。 金糸と銀糸で織られた繊細な刺繍と、さまざまな宝石。 一歩間違えれば悲劇になりかねない絶妙な均衡が、空間の中で輝いている。 この世に、こんなに美しいものが存在するのか。 これが城の中で、良護が王国の民なら、何の問題もない。 かつては王もいた。だが、過ぎた戦争に敗れたあと……

## 第一章 事実誤認の召喚アクシデント

1. 「起立、礼。」 全国の生徒が経験するその礼儀が終わると、良護のクラスは放課後を迎えた。 部活のない良護にとって、それは一日の終わりと同じだった。 「今日も、ごく普通だったな。」 クラスメイトのほとんどが帰った教室で、良護は最後の授業で使った教科書とノートを鞄にしまい、大きく伸びをした。 「そうね、普通だったわ。」 微笑み、のんびりした口調で良護の言葉にうなずいたのは、百瀬夏輪だった。 きちんと結んだ後ろ髪に、重い前髪。そして商標みたいな分厚い黒縁眼鏡。いま、ここからずっと離れた場所にいる、あの少女そのものだ。 夏輪と良護は幼稚園のころからの知り合いで、要するに幼なじみという関係だった。 「人生がずっとこんな感じなら、最高じゃないか?」 そんな独白に、どうしても聞きたいことがあって、夏輪は必死に口を開いた。 「りょ、良くんの夢って、平凡な人生を送ることなの?」 「そういうことだよ。」 良護は大げさに嘆いてみせた。 「学校を何の事故もなく卒業して、どこかの大学に入って、それから企業で働いて、最後はつつましい暮らしをして、老後はのんびり年金をもらって余生を終える。そういう人生が、最高じゃないか?」 「そう。わたしは、ときどき胸がどきどきするのも悪くないと思うけど。」 「そんなの、面倒が増えるだけだ。平凡は……

## 第二章

1. 「やっぱりな……。悪い予感が当たった。」 ほかに手はなく、オーグワと、とりあえず部下と呼ばれている女性が用意した車に乗り、『拠点』へ着いた良護は、素直に肩を落とした。 そこは住宅街に建つ一軒家だった。 冠姫聖戦の拠点の基準で言えば、かなり型破りなものだ。 だが、いちばんの問題は、その家の表札に書かれた名前が『盾町』だということだった。 そう、ここは良護の家だ。両親は海外で働いていて帰ってこないので、実質、彼ひとりが住んでいるのと同じだった。 「さあ、オリカ様、良護様、どうぞ。」 オーグワは鍵で玄関を開け、二人を招き入れた。 「どうぞ、じゃない。ここ、俺の家だろ。」 「家? ずいぶん粗末ね。せいぜいマカルインの鶏小屋程度じゃない。」 オリカは、どう聞いても姫らしい一言を口にした。だが良護には、突っ込む気力すら残っていなかった。 ともかく、玄関と入口の廊下に特別な変化はなく、いくらか安心した。 しかし、オーグワに案内されて居間へ入った瞬間、良護は思わず両膝をついた。 室内は、良護の知らない姿にすっかり変わっていた。 見慣れた家具は、テレビ以外、すべて運び去られている。代わりに、天蓋付きの巨大な寝台と豪華な椅子、鏡台が部屋のあちこちに置かれていた。……

## 第三章

1. 「さあ、オリカ様。」 「本当にやるの?」 「もちろんよ。冠絶姫王になりたいのでしょう?」 「……わ、わかったわよ。」 翌朝、良護が目を覚ますと、部屋の中に人の気配があった。 オリカとオーグワに間違いなかった。 二人はひそひそ話しているつもりらしいが、会話はすべて良護の耳に入ってくる。 とにかく、朝から奇妙な事件に巻き込まれるのは避けられそうにない。 そう思った良護は、二人が立ち去るまで、絶対に布団から出ないと決めた。 「良護、朝よ。」 人の気配が良護の枕元へ近づく。声からしてオリカだ。 もちろん、良護は返事をしない。 「良護、朝よ。起きなさい。」 布団ごしに体を揺すられても、まだ反応はない。 「起きなさいって、聞こえてないの? わたしが起こしに来てあげたのよ?」 オリカはパン生地を叩くように、良護の体を激しく揺さぶった。 それでも良護は、起きる気などさらさらなかった。 「ねえ、良護、良護。」 手が離れた隙に、良護はすぐさま身を翻し、オリカに背を向けた。 「どうしたの、良くん。変な声を出して……」 しかし、周囲に彼女の姿は見えなかった。 「ちなみにわたし、今は下着だけよ。」 「うん。気づいた?」 「……仕方ないわね。わたしが代わりにやるわ。オリカ様はよく見て覚えておきなさい。明日からはオリカ様が自分で……

## 第四章

1. オリカが傷ついた翌朝。念のため、彼女は学校を休んだ。 良護はそのまま学校へ行ったが、授業の内容はまったく耳に入らなかった。 ずっと気にかかっている、オリカのあの言葉。 『あなたの手は、いったい何をつかんだの?』 昔の良護にとって、それは自分の姉だった。 だが、今はどうなのか。 「今は……何も、ない、な。」 良護は朝からずっと、自分の掌を見つめていた。 「りょ、良くん。」 人気のない教室で良護を呼んだのは、夏輪だった。 「ん? ……夏輪か。え? ほかの連中は?」 「良くん、何を言ってるの? 今日はもう終わったわよ?」 驚いた様子で、夏輪は苦笑した。 良護が壁の時計を見て、驚きの声を漏らす。時刻はすでに放課後だった。 「マジかよ……」 「今日一日、心がここにある感じじゃなかったわね。」 「……まあ、な。」 良護が曖昧に答えると、夏輪は少し間を置いてから口を開いた。そのまま、目を上げて尋ねる。 「……オリカさん、いない理由は?」 ぱん、ぱん、ぱんと、夏輪は自分の手を叩いた。 「わかった……良くんのことなんて、もうどうでもいい。もう、どうでもいいんだから。」 そして夏輪の姿を見て、良護は思わず「あ」と声を漏らした。 今は、襟元のボタンを外し、スカートもずいぶん短くなっている。 「や、だ、め。」 「そう。」 「だから、……

## 終章

戦いの翌日、良護もオリカも死人のように眠り込んだので、学校を休んだ。 そして、そのまま日曜日になった。 「良護、起きなさい。今日は休みでしょう。」 「もうちょっと寝かせてくれ……」 二度寝を続けようとしていた良護は、一瞬で目が覚めた。 今度の声はオリカだ。オリカが起こしに来ている。 つまり、恋姫大作戦はまだ続行中、ということか。 目を開けたら、また枕元で服を脱いでいたりしないだろうな。 「ねえ、朝よ。」 布団ごしに、必死に揺する。 まずい。前と同じ動きだ。 このままだと、どんどん激しくなるかもしれない。 もしかすると下着姿、あるいはそれ以上のもの。 オリカには効かない。だが、朝から発情させられるのは面倒だ。 「もういい、良護、いい加減にしなさい……」 「やめろ、オリカ! はやく!」 「ひゃあ。」 良護は布団から勢いよく飛び起き、そのまま立ち上がった。 「頼むから、朝っぱらから破廉恥なことは……え?」 ベッドの上に立ち、オリカを見た良護は、突然動きを止めた。 「それなら、わたしも参加する!」 突然の事態を避けるように、良護は手で頭をかばった。 「いててててて……。何をしてるの、良護。」 そしてその声はどんどん大きくなり、こちらへ近づいてくるのがわかった。 「良護の体質よ。女の子に触られると……

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